エンタープライズITアーキテクトやシステム管理者の方から既存のコンピュートインフラストラクチャをAWSに移行する方法について質問いただくことがよくあります。いつも彼らは既存のシステム構成をつくり磨き上げることに長い時間をかけてきており、クラウドへ移行するときにその成果が活かせることを期待しています。
移行プロセスの側面に対処するために以前VM Importをご紹介しました。それから、多くのAWSのお客様はそれを移行、バックアップ、そして災害対策のワークフローの一部としてつかってきました。
さらによりよく
本日、VM Importを改良して新規にImportImage
およびImportSnapshot
の機能をAPIに追加しました。これらの新機能は既存のImportInstance
機能よりも高速かつ柔軟ですべての新規アプリケーションで利用することができます。こちらはImportInstanceとの観点でImportImageの利点をクイックに比較したものです。
ImportInstance | ImportImage | |
ソース | S3マニフェスト + オブジェクト (通常はオンプレミスのイメージファイルからのアップロード) | S3のイメージファイルまたはEBSスナップショット |
宛先 | 停止状態のEC2インスタンス | Amazon Machine Image (AMI) |
VMの複雑さ | 単一ボリューム、単一ディスク | 複数ボリューム、複数ディスク |
同時インポート数 | 5 | 20 |
オペレーティングシステム | Windows Server 2003, Windows Server 2008, Windows Server 2012, Red Hat Enterprise Linux (RHEL), CentOS, Ubuntu, Debian. | |
VMフォーマット | VMDK, VHD, RAW | VMDK, VHD, RAW, OVA |
ImportImageとImportSnapshotはS3のイメージファイルをスタート地点として使用するため、自分のイメージをクラウドに移行するときにはいくつかの選択肢があります。AWS Management Console、 AWS Command Line Interface (CLI)、 AWS Tools for Windows PowerShell、またはS3 APIを利用したカスタムツール(この場合はマルチパートアップロードが利用できることを確認してください)をつかうことができます。さらにAWS Import/Exportをつかって物理デバイスでイメージを転送することも可能です。
ImportImageのために用意するイメージファイルは通常OVAパッケージですが、その他のフォーマットもサポートされています。ファイルにはひとつ以上のディスクのイメージ、マニフェストファイル、そしてイメージに関連するその他のデータがふくまれます。
上記の表にあるようにImportImageには複数のディスクやディスクボリュームをふくめることができます。それによってエンタープライズ規模の環境でよく必要となるような複雑なストレージ構成にもより適しています。
ImportImageは必要な回数だけ起動することができるようにAMIを生成します。これはImportIntanceによって作成される停止状態のインスタンスよりもシンプルで、柔軟かつ簡単にあつかうことができます。ImportSnapshotはEBSボリュームを作成するのに利用できるEBSスナップショットを生成します。
裏側では、ImportImageとImportSnapshotは複数のEC2インスタンスに対してそれぞれのインポート操作の処理とストレージ操作を分配することができます。この最適化によりインポートプロセスをスピードアップし特定のサイズのイメージをインポートするのにかかる時間を予測することが容易になります。
ImportImageとImportSnapshotを利用した自分自身のインポートプログラム(AWS SDK for Javaや AWS SDK for .NETによる)を作成するだけでなく、AWS Command Line Interface (CLI)からもこの新機能にアクセスすることができます。
よりくわしくは、ImportImageと ImportSnapshotのAPIドキュメントをお読みください。
いますぐ利用可能
この新機能は現在北京(中国)とAWS GovCloud (US)をのぞくすべてのAWSリージョンで利用可能です。
– Jeff(日本語訳:渡邉源太);